人間の物の見方に与えられた影響は甚大なものだった。円筒が落ちてくる以前には、宇宙の奥深くを見回してもちっぽけな地球のわずかな表面以外に生命は存在しないという一般通念が存在していた。今では私たちはずっとよく理解している。


私が考えるにそこは巨大で永遠に続く事物の法則に支配された場所であり、人間の日々の些事や罪や悩みなどとは無縁の場所なのだ。だからこそ私たちの中にいる獣よりも優れた部分がそこに慰めと希望を見出すのだ。私は希望を持ち続ける。さもなくば生きてはいられないだろう。


誰も私を信じようとはしなかった。私は人間の中にいても獣人たちの中にいた時と同じくらい奇妙な存在だったのだ。


イギリスの作家です。

トマス・ヘンリー・ハクスリーから生物学を学ぶ。

『タイム・マシン』『モロー博士の島』などの科学SF作品で知られています。